更新日:2023年10月5日
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秋山(9月から11月までの間)は、秋雨前線や台風の影響により天候が変わりやすく、夏山に比べ日照時間が短くなり、気温も低下します。例年10月には室堂等の標高2,500mあたりでは、降雪や登山道の凍結がみられます。今年は、近年稀に見るほど雪渓の融雪が進んでいるため、過去の登山記録を鵜呑みにせず、入山前にしっかりと情報収集しましょう。
また、夏山から引き続き野生動物の行動が活発であることから、熊スプレーや鈴などを携行し、周囲の観察を怠らない等の対策を心がけましょう。
・危急時に対応できる装備の携行
登山者一人一人が危急時にできる対応とは、
・現在地の把握
・必要な場合の速やかな救助要請
・安全の確保
です。秋山は天候が急変しやすく、気温の低下、日没時間が早いことなどから、雨具、防寒着、ヘッドランプ、水分、行動食、通信手段、モバイルバッテリーを確実に携行しましょう。ツェルト、燃料、ストーブを携行して適切に使用できれば万が一のビバークの際に役立ちます。スマートフォンは、GPSアプリや救助要請に欠かせない装備ですが、気温が下がると使用可能時間も短くなる傾向があるため、モバイルバッテリーを携行しましょう。
また、位置探査用電波送信機を携行すると、不足の事態の際、発見される確率の向上に繋がります。
・登山計画の作成、報告、提出
登山計画を家族や友人等に伝えておくほか、登山届を警察等に提出しましょう、「コンパス」等のインターネット登山届提出システムが便利です。計画の際は、体力・技術に見合ったルートと行動時間を考えましょう。
・室堂積雪時に登山・スキーをされる方へ
富山県では、立山室堂地区山岳スキー等安全指導要綱に基づき、室堂積雪時に登山・スキーをされる方に入山届を提出していただいております。積雪状況により、入山届の提出が必要となる期間が変わりますので、最新の情報は富山県山岳遭難対策協議会のホームページ内にある、”立山室堂山岳スキー情報”をご確認下さい。
入山届の提出方法は、以下の2つの方法のどちらかになります。
1:オンライン登山届「コンパス」による提出
2:室堂入山安全相談窓口(室堂ターミナル内)における提出
*窓口は混雑時に時間がかかる可能性がありますので「コンパス」での提出が便利です。
SNSやインターネット上に公開されている登山に関する情報を、多くの登山者が参考にしています。
掲載側は、危険区域への立ち入りを勧奨するような内容や、軽装での無謀な登山を肯定するような内容の書き込みをしないでください。
見る側は、SNS上の情報はあくまで個人の記録であるため、登山条件の相違や投降者と自分が同一人物ではないことを理解した上で、山小屋や公共機関のホームぺージ等複数の情報収集手段を持つようにしましょう。
10月5日、室堂(標高2,450m)で降雪がありました。今後も気象条件次第でこのような天候となる可能性があるため、登山道の凍結や積雪の可能性があることを念頭に計画を立案するようお願いします。
10月5日室堂の状況です。
10月5日室堂周辺の登山道状況です。
10月2日の黒部峡谷下ノ廊下十字峡の状況です。