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更新日:2023年3月24日
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オウム真理教(以下「教団」という。)は、20数年から30年前、宗教法人を隠れ蓑にしながら武装化を図り、数々の凶悪事件を引き起こしました。特に松本サリン事件や地下鉄サリン事件は、化学兵器用のサリンを使用した世界にも類を見ない残虐な無差別テロとして、国内外に大きな衝撃を与えました。
教団によるお布施の強制や脱会信者の拉致等を厳しく追及していた弁護士と、その妻、子の3人の首を絞めるなどして殺害した事件(死者3人)
教団が被告となった民事訴訟を担当する裁判官が居住する長野県松本市内の宿舎近くで、加熱式噴霧器によってサリンを発散させ、付近住民に吸引させるなどした事件(死者8人、負傷者約140人)
警察の捜査をかく乱させる目的で、警視庁等の官舎が付近に集中する霞が関駅を通る地下鉄3路線・計5本の列車内でサリンの入ったナイロン袋を傘で突き破り、サリンを発散させた事件(死者13人、負傷者5,800人以上)
平成30年7月、オウム真理教教祖の麻原彰晃こと松本智津夫(以下「松本」という。)ら13人に対し死刑が執行されましたが、教団はその後もこれまでと変わりなく、松本への絶対的帰依を強調する「Aleph(アレフ)」をはじめとする主流派と、松本の影響力がないかのように装う「ひかりの輪」を名のる上祐派が活動しています。教団は、令和3年12月末現在、15都道府県に30か所の拠点施設を有し、信者数は、合計で約1,650人とみられます。
主流派は、松本を「尊師」と尊称し、同人の「生誕祭」を開催しているほか、松本の写真を拠点施設の祭壇に飾るなど、松本への絶対的帰依を強調して活動しています。
勧誘においては、教団名を秘匿し、街頭や書店において声掛けを行ったり、SNSを利用し宗教色を感じさせない各種イベントを開催したりして、青年層を中心に接触を図り、ヨーガ教室に勧誘するなどして新規信者を獲得しています。
上祐派は、ウェブサイトに過去の反省・総括を掲載したり、各種メディアを通じ、松本からの脱却を強調したりして、松本の影響力がないかのように装って活動するようになり、現在も「開かれた教団」や組織の刷新をアピールして、無差別大量殺人を行った団体の規制に関する法律(団体規制法)に基づく観察処分の適用回避に取り組み、組織の維持を図っています。
勧誘においては、各拠点施設で開催している「上祐代表説法会」や各地の神社仏閣等を訪問する「聖地めぐり」等の行事について、ウェブサイトを通じて参加を呼び掛けるなどし、信者獲得を図っています。
1.導入 家族や知人への働き掛け、路上や書店における声掛け、SNSでの呼び掛け等により、教団による一連の事件を知らない青年層を中心に接近する。 |
2.人間関係の構築 連絡先を交換してカフェでのお茶会等に誘い、教団名を伏せた仏教の勉強会やヨーガ教室に参加させ、人間関係の構築を図る。 サクラの信者1、2人が勉強会やヨーガ教室に参加して悩み事を聞くなどし、一般参加者であるように装って被勧誘者の抵抗感を取り除く。 |
3.入信 教団名を徹底して伏せた上、一連の事件は国家ぐるみの陰謀と説明するなどして、教団に対するイメージを変化させていき、抵抗感がなくなったことを確認した段階で初めて教団名を告知して入信させる。 |
教団は、依然として松本及び同人の説く教義を存立の基盤とするなど、その本質に変化がないと認められることから、警察では、凶悪事件を再び起こさせないため、引き続き、関係機関と連携して教団の実態解明に努めるとともに、組織的違法行為に対する厳正な取締りを推進しています。
一方、地下鉄サリン事件から20数年が経過し、教団に対する国民の関心が薄れ、一連の凶悪事件に対する記憶が風化することなどにより、教団の本質が正しく理解されないことが懸念されることから、教団の現状について、各種機会を通じて広報啓発活動を推進しています。
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