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更新日:2021年2月19日

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ワンクリック料金請求

事例

平成16年初めころから、迷惑メールを送りつける等して、アダルトサイト等へ誘導し、そのサイトの写真などをクリックする等したことを根拠に料金請求を行う手口(ワンクリック料金請求事案)が多発しています。

相談内容

  1. アダルトサイトを見ていて、「18歳以上」という部分をクリックしたら、突然、「入会ありがとうございます。」と表示され、入会料金として3万円を請求された。
  2. 携帯電話に送られてきたメールに記載されていたURLをクリックしたら、後日、サイトの利用料金として10万円を請求するメールが送られてきた。
  3. 携帯電話に突然電話がかかってきて、「サイトの『18歳以上』という部分をクリックしたら、入会したことになる。×月×日の入会金を払え。」と言われ、サイトの利用規約を良く読むと確かにそのように書かれていた。

典型的な事例

携帯電話やパソコンに、迷惑メール(ショートメール*1やEメール)が送られてくるところから始まります。
以下は、携帯電話のショートメールを使った事例です。

1 迷惑メールの文面(友達を装ったもの)

かわいい写メ撮れたんで、ここにはっておくね。
http://○○○○.com/?nasNk5cKpDKBi3i

↓文面のURLをクリックするとサイトに接続

2 サイトの内容

☆出会い○○○○☆
18歳以上の方は規約に
同意して入会

18歳以上

18歳未満

------------------
☆出会い○○○○☆
利用規約
------------------

↓「18歳以上」をクリックすると・・・

3 「18歳以上」をクリックした先の請求ページ

携帯電話番号 090-○○○○-×××× 様

ご入会ありがとうございました。
当サイトは有料サイトです。
10日以内に180日分の利用料金10万円を下記口座に振り込んでください。
△△銀行△△支店普通△△△△△△△ △△△△△△

↓そのまま切断しても、後日、請求のメールが届きます

4 請求のメール

×月×日にご契約いただいた○○○○の利用料金10万円を10日以内に振り込んでください。
5日以内なら半額となります。振り込まなければ法的手段を取ります。
△△銀行△△支店普通△△△△△△△ △△△△△△

↓利用規約のページを見てみると・・・

5 利用規約のページ(一部)

<利用規約>



  • お客様の利便性を最優先した自動入会システムを採用しています。トップページの「18歳以上」をクリック(押す)した時点で自動的に入会となります。
  • ご利用料金は、定額100,000円です。ご利用期間は180日間です。
  • 180日間全てのサービスが無制限でご利用になれます。料金は後払いでOKです。
  • 入会日から10日以内に下記の口座にお振込下さい。
    【振込み先】△△銀行△△支店 普通口座△△△△△△△ △△△△△△



*1ショートメールとは、携帯電話番号で宛先を指定して送信するタイプのメールサービスです。

解説

≪典型的な手口の解説≫~ショートメールを使用した手口の場合

請求者は、次のような手口を使っています。

1.受信者ごとに異なる識別番号を含むURLが記載された電子メールを送りつける

090-OOOO-XXXX宛のショートメールの文面に、この携帯電話番号に対応した識別番号(上記事例 1のnasNk5cKpDKBi3iの部分)を含むURLを記載して送信します。
後の請求のために、送信したショートメールの携帯電話番号と識別番号の一覧表を作成しておきます。
文面にあるURLのサイトは、請求者がメールの送信前に開設しておきます。

2.受信者がサイトにアクセスしたことを確認する

090-OOOO-XXXXの携帯電話の使用者が、ショートメールの文面にあるURLにアクセスすると、アクセス日時とアクセス先URLの一部(上記事例 1の、/?nasNk5cKpDKBi3iの部分です)などがサイト側のコンピュータに記録されます。
その記録を見れば、1で作成した一覧表から、どの携帯電話番号の人がアクセスしたのかわかります。

アクセスした際に、1で作成した一覧表から携帯電話番号や携帯電話会社などを自動的に画面表示するプログラムを組み込んでいるサイトもあります。(上記事例 3)

3.サイトのトップページに「18歳以上」などと表示し、これをクリックすると入会したとみなしている

「入口」、「18歳以上」としか表記していないのに、この部分をクリックしただけで入会したことになるとして、請求する事例が大半を占めています。(上記事例 5)
例えば、利用規約に、「当サイトは、便利なワンクリック入会システムを採用しています。入会日から○日以内に△万円を振り込んでください」という記載があることを、請求の根拠にしています。

4.アクセスのあった携帯電話番号に対し、請求を行う

アクセスのあった携帯電話番号090-OOOO-XXXXにショートメールを送信したり、電話したりして利用料金の請求を行います。(上記事例 4)
特に電話での請求の際には、アクセスした人の携帯電話番号しかわからないので、住所、氏名、勤務先、連絡先電話番号などの個人情報を強い口調で根掘り葉掘り聞いてきます。

ショートメールを使うのは、サイトにアクセスした人の携帯電話番号が入手でき、請求が行いやすいからです。
この手口は、通常のインターネットの電子メール(Eメール)でも行うことができますが、その場合、電話番号は判らないので、請求は電子メールだけで行われることになります。

最近は、Eメールを利用する手口のほか、電子掲示板等の広告でサイトに誘導し、サイト上で直接請求する手口が多く見られます。

対処法

トラブル対処法

1.契約に消費者側の勘違いや誤操作が有った場合、その契約は原則無効となります

事業者対消費者の電子商取引において、申し込み画面に消費者のミスを防ぐための一定の手立てを講じてある場合(例:契約締結前に契約内容の確認・修正画面が出るなど)を除いて、消費者に契約内容について勘違いが有ったり、申し込み画面の誤操作をしてしまった場合、その契約は原則無効となります。(電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律(略称「電子契約法」)第3条)

そのため、上記事例のような場合には、電子契約法に基づき、契約が無効であると判断できると考えられますが、個々の事案で状況が異なるため、容易には判断ができない場合があります。

同法に基づき、契約が無効であると判断される場合には、請求者に連絡せず、請求は無視してください!!
請求者に連絡してしまうと、連絡先を請求者に知らせてしまう上、「支払う見込みのある者」とみなされて、しつこく請求を受けるおそれがあります。

2.必要に応じ、メールアドレスを変更し、ショートメールの受信を拒否する

請求者に携帯電話番号が知られていて不安な場合には、携帯電話の番号を変えるというのも1つの方法です。
また、迷惑メールや請求メールに対する対策として、

  • メールアドレスを、アルファベット、数字、記号を含んだ長くて複雑なものに変更
  • ショートメールの受信を拒否する設定

の2つの対策をすれば、そのようなメールを受信することはほとんどなくなります。

予防策

1.見覚えのない送信元からのメールに記載されているURLにはアクセスしない

見覚えのない送信元からのメールに記載されているURLにアクセスすると、思わぬトラブルに巻き込まれるおそれがあります。
特に、文面に「http://○○○○.com/?Fx-3qEn」など、不規則な英数字を含むURLにアクセスすると、上記事例のとおり、アクセスしただけで自分の携帯電話番号(やメールアドレス)を請求者に知られてしまう可能性がありますので、注意してください。

2.サイトにアクセスするときは、最初に利用規約をよく読む

勧誘メールやサイトのトップページに「完全無料!」と書かれていても鵜呑みにせず、利用規約を最初によく読んでください。
悪質なアダルトサイトや出会い系サイトでは、上記解説のとおり、利用規約に不当な入会方法や高額な利用料金について記載されている可能性があります。

「サイトにアクセスした時点で入会とみなす」等という乱暴な利用規約のあるサイトもありますが、利用者に契約に同意するかどうかの意思確認をしていないのですから、電子契約法に基づき利用者に勘違いがあったとして、契約は無効となり、利用料等の支払義務はありません。
(一般の有料サイトでは、契約に同意するかどうかを問う確認画面が表示されます。)

3.悪質な業者にだまされないために

上記事例と解説のとおり、このような事案は手口が巧妙ですが、いわゆる架空請求の発展型の事案と考えられます。
このような悪質な業者にだまされないためには、

  • 個人情報は安易に教えない
  • 不審なメールは開かない、返信しない
  • 不正な請求は相手にしない(電話を切る、メールは削除する)

ことが大切です。