富山県警察本部 サイバー犯罪対策課
身に覚えのない料金請求

事例
現在、利用した覚えもないのに、有料のアダルトサイトや出会い系サイトの利用料金等と称する、料金請求の電子メールが送られてきた。という相談、情報等が多数寄せられています。
≪文面の例≫
1 パソコンのメールアドレスに対する架空請求

件名: 回収整理番号:4398

あなたがご利用の、インターネット・コンテンツ利用料が未だに確認できません。
現在までに何度かお願いの連絡をしましたが、入金の確認が取れません。これ以上お待ちする訳にはいきません。○月○日(○)午後○時までにお支払い下さい。

上記期限までに入金がない場合、断固たる態度で臨む所存です。昨年成立した、『プロバイダ賠償責任制限法』に基づき、メールアドレスからログ情報等の開示を請求し、貴殿がお使いのプロバイダを突き止め、住所、氏名、勤務先等を開示してもらいます。
その上で、改めてご自宅・お勤め先に料金回収に直接弊社提携会社の担当者が行くことになりますので、宜しくお願い致します。

その際には利用代金・延滞利息・督促費用、さらに回収に行った場合には交通費・宿泊費を追加請求させていただきます。
また、最悪裁判・強制執行による差押さえ(給与差押え等)を含めた、あらゆる回収手段を講じます。
このような事態にならぬよう、くれぐれも期限までに入金して頂きたく、お願い申し上げます。

【振込先】○○○○銀行 ○○○○(○○○○○)支店(店番○○○)
     普通口座  ○○○○○○
【入金額】 ¥○○○○○-
      (利用料¥○○○○○円+延滞利息○○○○○円+手数料○○○○円)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
通知人:有限会社○○○○○○
担当: ○○  090-64○○-○○○○
2 携帯電話のメールアドレスに対する架空請求
この度お客様がご利用していただいた有料サイトの方が未納という形で延滞金等が発生しております。3日以内にご連絡頂けない場合は強制的にご自宅またはご勤務先等にお伺いします。(株)○○○○○ 担当:○○ 03-5○○○-○○○○



少額訴訟に判決がでました。明日45,500円入金なき場合自宅、勤務先に訪問回収。UFJ銀行千住支店 番号:○○○○○○○ 名義:○○○○○○○ ○○○債権管理センター

上記のような、有料サイト等の料金に関する請求のほか、
  • 架空の弁護士名を名乗り、架空の音楽著作権侵害事案について、著作権者の訴訟代理人として和解金の振り込みを持ちかける電子メール
  • 「あなたの秘密(不倫、犯罪行為など)を知っています。会社や家族に知られたくなければ・・・・」等という、脅迫的内容の電子メール
などの、派生的な手口もあります。

解説
このような料金請求メールは、
  • 宛名(あなたの氏名、住所等の個人情報)がない
  • 利用したコンテンツ名、利用日時、利用時間、利用回数等の明細がない
  • 3ヶ月以上前の利用料金について突然請求している
  • 支払い期限まで2、3日しかない
  • 「数日中に払わなければ自宅に出向いて回収し、その際の交通費等の回収費用も請求する」、「民事訴訟を起こす」、「一日3,000円の利息が付く」、「3日経ったら、請求額が2倍になる」等と記載されている
  • 会社を名乗っているのに、所在地が書いてない上、担当者への連絡先が携帯電話である
などの特徴があり、送信者はこのような料金請求の電子メールを不特定多数に無差別に送信しています。
電子メールだけでなく、はがき、封書、電報を利用したものがあるほか、直接電話をかけてくるケースもあります。
いずれの場合も、被害者の「民事手続きに関する知識不足」、「自宅に取り立てに来ることへの恐怖心」、「トラブルに巻き込まれたくないという気持ち」を狙っているものです。
本県では、このような事案で集金担当者が自宅に押しかけたという事例は一切ありません。
● このような電子メールが届く原因
  • 自分が開設しているホームページに連絡先としてメールアドレスを公開している
  • インターネットの電子掲示板にメールアドレスを書き込んだ
  • インターネットの架空のアンケートやプレゼントに申込む際に、メールアドレスを書き込んだ
など、ご自身でメールアドレスを公開しているケースが考えられます。
これらの収集されたメールアドレスは、リスト化して販売されるなどして一般に流通しています。
そのほか、請求メールの送信者が、
  • メールアドレスをパソコンで自動的に生成して手当たり次第に送信している
  • 携帯電話のショートメール機能(宛先を電話番号で指定する電子メール)で送信している
というケースが考えられます。 この場合、携帯電話のメールアドレスをアルファベット、数字、記号を含んだ長くて複雑なものに変更するとともに、ショートメール機能による電子メールの受信を拒否する設定をすれば、このような電子メールを受信することはほとんどなくなります。

対処法
● 不当な請求に支払義務はありません
心当たりがないのであれば、料金を支払う義務はありません。このような請求は無視してください。
一度支払ってしまうと、次々と請求が来る可能性があります。

● こちらから連絡をとらない
相手に連絡をとると、「支払う見込みがある」と見なされ、さらにしつこく請求される可能性があります。
一切連絡をとらないようにしましょう。

● 氏名・住所・電話番号は知らせない
業者に対しては、不用意に氏名・住所・電話番号等の個人情報を知らせないようにしましょう。正当な債権であれば、このような情報を知った上で請求を行っているはずです。
宅配業者等を偽って電話をかけ、個人情報を聞き出そうとする手口もありますので、よく確認するようにしましょう。

● 電話による請求でも冷静に対処しましょう
電話で料金請求された際には、業者の言い分を鵜呑みにせず冷静に対応しましょう。
身に覚えがないのであれば、不当な請求であることを相手にはっきりと伝えた上で電話を切るなど、毅然と対応しましょう。

● 支払ってしまった場合、違法な行為があった場合には通報しましょう
このような請求に対し料金を支払ってしまった場合や、「支払わなければ、家族に危害を加えると言われた」等の違法な取り立てを受けた場合には、所轄の警察署へ通報してください。

● 心当たりがある場合でも、必ず確認しましょう
何らかのサービスを使った覚えがある場合でも、必ず正規の料金請求であることを確認してください。
  • 請求者の会社名、所在地、連絡先、代表者
  • 確かに利用したサービス名(及び会社)であるかどうか
  • 請求者が、サービスの利用時に登録した個人情報を知っているかどうか
  • 利用者ID、利用日時、利用時間等の利用明細(請求の根拠)があるかどうか
電話での請求の場合は上記項目をその場で相手に確認し、電子メールやはがき等の一方的な請求の場合には、上記項目が文面に記載されているかどうかを確認しましょう。

確認した結果、上記項目を満たさない場合には、根拠のない請求と考えられますから支払う義務はありません。また、上記項目をすべて満たす場合でも、消費生活センターなどの消費生活相談窓口に一度相談されることをお薦めします。
最近、手口がさらに巧妙化し、迷惑メールを送りつけて、アダルトサイト等に誘導し、サイトの入会金等を請求する事案が増加しています。

● 「債権回収を委託された」としている場合には・・・
債権回収を委託されたとして、請求する事例が数多く見られますが、債権管理回収業を営むためには法務大臣による許可が必要です。(参考: 法務省「債権回収会社(サービサー)制度について」)
また、債権回収会社が、
  • 出会い系サイト,アダルトサイト,ツーショットダイヤルの利用料を請求する
  • 請求書面で,担当者の連絡先として携帯電話を指定する
  • 個人名義の口座を回収金の振込先とする
  • 電子メールでいきなり債権を請求する
ことは一切ありません。