信託受益権の購入をめぐる特殊詐欺(なりすまし詐欺)被害の発生について(8月11日)
信託受益権の購入をめぐる特殊詐欺(なりすまし詐欺)被害の発生について(富山中央署)
1 発生日
7月23日から7月28日までの間
2 被害者
富山市在住のAさん(70歳代・女性)
3 被害額
30万円
4 事案の概要
(1) 7月中旬頃、Aさん宅に、B社のサワダと名乗る男から電話がかかり、「シルバーサービスからパンフレットが届いていないか。」と尋ねられたことから、Aさんは、パンフレットが届いたら連絡する旨を伝えた。
(2) 7月23日、Aさん宅に、独立行政法人シルバーサービス振興会のパンフレットが届いたことから、Aさんが、サワダに連絡したところ、「シルバーサービスが発行している信託受益権は、1口幾らで、あと幾つ残っているか聞いてほしい。」「パンフレットが届いた方以外は、取り次いでもらえない。」等と言われた。
Aさんが、パンフレットに記載されていた電話番号に電話をかけ、シルバーサービス信託受益権について問い合わせたところ、1口30万円で、あと166口残っていることがわかったことから、その旨をサワダに伝えた。
サワダは、「実は、Cさんが、残りの信託受益権を全部買いたいと言っているので、代わりに申し込んでほしい。お金は、Cさんが支払う。」等と説明したことから、Aさんは、シルバーサービスに電話をかけ、信託受益権の購入を申し込むとともに、Cさんが購入費用を支払う旨を伝え、了承された。
7月24日、シルバーサービスからAさん宅に電話がかかり、Cさんが信託受益権の購入費用を支払った旨の連絡があった。
(3) 数日後、Aさん宅に再度、シルバーサービスから電話がかかり、「あなたは、法律に触れることをした。あなたの名義で申込みがあった信託受益権について、Cさんから振込があったので問題になった。この問題を処理するためには、お金が必要だ。お金を払わないと、法律違反で、裁判所から出頭命令が来る。刑務所行きになるかもしれない。いくらかお金を払ってほしい。」等と言われた。
Aさんが、お金を支払うことができない旨を説明したところ、「30万円くらい用意できないか。」等と言われ、7月28日、シルバーサービスが指定する口座に現金30万円を振込送金した。
シルバーサービスに現金を振り込んだ数日後、Aさんは、振込理由に納得できず、富山市消費生活センターに相談したところ、同センター職員から警察へ届けるよう促され、当署へ届け出たもの。
※ 独立行政法人シルバーサービス振興会は、存在しない。
※ 当該振込送金先については、当署から金融機関に対して、口座凍結を依頼済み。
5 特に注意喚起していただきたい事項
○ 商品取引に関するパンフレットを送り付けた後、「代わりに申し込んでほしい。」等と電話をかけるのは、特殊詐欺の手口です。
当初は、金銭的負担は伴わないという説明ですが、後日、様々な口実を付けて金銭を要求してきますので、毅然として拒否してください。
○ 特殊詐欺の犯行グループは、信頼できる取引であることを装うために、実在する著名な会社をかたることがありますので、注意してください。
○ 不審な電話や郵便物等があった場合は、一人で悩まず、警察へ相談してください。